制作ストーリー - The Miro Corn Leather Bag
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こんにちは。
今日はデザイナー、クセニアからO.N.Eの主力バッグでもある、The Miro Corn Leather Bagの制作ストーリーをご紹介しようと思います。
すべては小さな事故から始まりました。
ろくろが回る中、一瞬だけ手が滑り、粘土が予期せず歪んで不均一な曲線を描きました。整えようとしたその時、ひらめいた——バッグもこんな形で生まれるかもしれないと。素材の持つ自然体な流れを捉え、不完全さを受け入れるという発想が、私の心に深く根を下ろしました。

突然、一つの光景が目に入りました。粘土はもはや単なる花瓶ではなく、バッグへと変貌し——柔らかく、曲線を描き、無造作な美しさを兼ね備えた唯一無二の形が出来上がっていました。私たちのバッグも同様に、単なるアクセサリーではなく、身につけられる芸術作品へと変容していく姿を想像しました。

粘土が回転し、ねじれ続けるうちに、さまざまな思考が巡りました。
もしバッグがこのように動けたら?素材が陶芸家の手によって形作られるかのように、曲がり、折りたたまれたら?まるで、目の前でバッグの柔らかな縁が形成されていく様子が、見えるようでした。
粘土が独自の生命を宿すのを見つめながら、これが新コレクションの方向性だと確信しました。

しかし、すべての壮大な物語に共通するように、そこには”ひねり”がありました。
ろくろが勝手に素晴らしい作品を形作っている最中、粘土が崩れ落ちたのです。
苛立たしい出来事でしたが、同時に啓発的でもあった。時に予期せぬ出来事が真の美しさを気づかせてくれます。この瞬間、私たちのバッグも同じ哲学を反映できると気づかされました——不完全さを受け入れ、プロセスを通じて進化していくという哲学を。

このMiroコレクションは単なる美学ではなく、変化の物語です。
曲線と細部のひとつひとつが、粘土の予測不可能な性質と創造の旅路を映し出しています。手作りの花瓶のように、それぞれのバッグが独自の物語を紡ぎます——忍耐と創造性、そして不完全さの中に宿る美の物語を。
このバッグをあなたが持つ時、人生の”ひねり”を受け入れ、その過程の中に”美”を見出し、自らの物語を携えて歩むことを思い出させてくれますように。